子宮頸部異形成という病気

子宮頸がんの原因はヒトパピローマウイル(HPV)であると
これまで説明してきました。

HPVに感染することから子宮頸がんへの道のりは始まるのですが、
HPVに感染してもいきなりガンになるわけではありません。
実は、HPVに感染してもほとんどの人は何の病気にもなりません。

それは、人間には免疫力というのがあって、多少のウイルスが体の中にはいってきても
自分の免疫力で、ウイルスを排除することができるからです。

風邪を引いても、多少のものなら薬を飲まずに自然に治るのと同じことです。

ですが、免疫力が低下していたり、悪性度の高いタイプのHPVに運悪く感染してしまうと
子宮頸部異形成という病気にかかってしまいます。

「子宮頸部異形成??? 何だ、そりゃ?」

子宮頸部異形成とは、子宮頸部と言われる子宮の入口にできる病気の一種です。
ガンではありません。
しかし正常でもありません。
正常ではないけど、ガンでもないということで、「異なるものが形成されている」という
意味から異形成という名前がつけられています。

エッチでHPVに感染すると、まずはこの子宮頸部異形成という病気になります。
この病気になっても、ほとんどの人は自分の免疫力で自然に治るので
あまり心配はいらないのですが、まれに不幸にして治らない場合があります。

すると、徐々に病気が進行していきます。
ゆっくりゆっくり数年から10数年かけて。
そして、ついに子宮頸がんへと変貌するのです。


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気がついたときには、すでに手遅れのガンになっていたなんてこともあります。
不正出血などの自覚症状がでてからだと、進行した子宮頸がんにまで
進行していることが多いのです。

それもそのはずで、子宮頸部異形成の段階では自覚症状が全くありません。

では、どうすれば 子宮頸部異形成の段階で早期発見できるでしょうか?


答えはズバリ検診です。

子宮頸がん検診を受けることで、子宮頸部異形成の段階で見つけることができれば
結果として助かることができます。
子宮頸部異形成の段階では、まだガンではありませんから、命は100%助かります。

しかも、手術で子宮を取る必要がないため、子供も産めます。
この段階なら、不幸中の幸いで済むのです。

ですから検診を受けるというのはとっても大切なんです。

16歳で子宮頸部異形成になった子もいます。
幸いにしてガンになる前にみつかりましたから、簡単な手術で、子宮は取らずに済みました。


みなさん是非 子宮頸がん検診を受けましょうね。
自分の身体は自分で守りましょう。

次回は子宮頸がん検診について詳しい話をしましょう。


★ちょっと難しい医学解説
(理解できなくてもかまいません。読める人だけ読んでください。)

子宮頸部異形成は、その程度により、軽度、中等度、高度に分類される。
軽度の段階であれば、95%の人が自然に治るので、経過を診ればよい。

しかし、高度のレベルまで進行してしまうと、もはや自然治癒は期待できず、
子宮頸がんにまで進行する可能性が高いため、手術が必要になる。

中等度の場合は、患者さんの状況に応じ、経過をみたり、手術をしたりする。
手術が必要であったとしても、高度異形成の段階であれば、子宮を取らずに済むが、
浸潤した子宮頸がんの段階にまで達すると子宮をとらなければならない。
(他には、放射線化学療法といった方法もありますが、難しいのでここでは詳しく述べません。)

だから、異形成の段階で発見されるか、すでにガンにまで進行していたかの違いは、
患者さんにとって、とても大きい。

ちなみに、異形成という病気は薬では治りません。
そもそも、そういう薬自体がありません。
ですから、治療は手術するかしないかの2者択一しかないわけです。
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by ikomatomomiclinic | 2010-11-11 17:30 | 子宮頸がんの話
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