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子宮頸がん検診の舞台裏 その2

皆さんがせっかく受けてくれた子宮頸がん検診。
そこで取ってきた子宮の細胞は、その後検査室に運ばれます。

必要な処理をしたあと、専門的な資格を持った「スクリーナー」と呼ばれる検査技師さんが
患者さんひとりひとりの子宮の細胞を顕微鏡で見て、判定していく作業に入ります。

顕微鏡をのぞきながら、1個1個の細胞の形をみて、これは正常な形をした細胞だか
ら大丈夫だとか、これは異常な形をした細胞であるから子宮がんかもしれないとか
人間の目で判定していくわけです。

1人の患者さんの検体を顕微鏡で判定するのに、だいたい3~10分程度かかります。
患者さんは毎日何十人もいますから、それを1日がかりで、毎日毎日 顕微鏡で判定
していくわけです。

根気のいる作業です。

ですから、皆さん、子宮頸がん検診を受けても、当日結果を教えてもらえませんよね。
だいたい1週間はかかることが多いと思います。
それは、こうしてスクリーナーの方が、皆さんひとりひとりの細胞を顕微鏡で
調べているからなんです。

なんと原始的な作業だと思うかもしれませんが、機械まかせにできない検査も
あるのです。

我々医師も、スクリーナーの方々の仕事ぶりには本当に感謝しています。
産婦人科医の仕事は、この方がいなくては成り立ちません。
日本のスクリーナーって本当に優秀ですよ。
世界一ではないでしょうか。

発展途上国では、このスクリーナーがいないので、子宮頸がん検診を受けられないのです。

日本のような恵まれた環境に生まれて本当に感謝です。
ですから、皆さん、嫌がらないで、感謝して子宮頸がん検診を受けましょうね。
by ikomatomomiclinic | 2010-11-18 17:30 | 子宮頸がんの話
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