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 カンジダ症とは

さて、今回はこれまでのテーマと違うお話をします。
カンジダ症についてのお話をしましょう。

カンジダ症は産婦人科の診療では日常よく遭遇する病気です。
ほぼ毎日カンジダ症の患者さんをみるくらい多い病気ですから
皆さんのなかにも、カンジダ症になったことのある人、いらっしゃると思います。

ちなみに私も過去に2回、カンジダ症になったことがあります。

さて、このカンジダ。

何かと言いますとズバリ、カビの一種です。
エッチでうつる性行為感染症の一種ではありますが、エッチしなくても感染します。
カンジダ症になる女性のほとんどは、むしろエッチが原因ではありません。

もともと、女性の膣の中はジメジメとしていて湿っている場所なのですが、
こういう湿度の高いところというのは、カンジダのようなカビが生えやすい
環境なのです。
したがって、膣の中では、カビが自然発生することがあるのです。

どんな時にカンジダが発生するかと言いますと、疲労がたまっているときや、
風邪をひいて体調を崩したりしていて、身体の免疫力が低下しているときに
発生しやすくなります。

妊娠中なども、免疫力が低下しているので、カンジダが発生しやすくなります。
また抗生物質を飲んだ時なども、膣の中の細菌バランスが崩れて
カンジダが発生しやすくなります。
糖尿病の人もなりやすいです。

このカンジダ、エッチしなくても、自然発生するわけですから
小学生の女の子でも発症します。

カンジダ症の自覚症状として最も多いのは、外陰部の痒みです。
白いチーズのようなおりものがでるのも特徴ですが、必ずしもそうとは限りません。


診断は、おりものを検査すれば簡単にわかります。

カンジダ症と診断されたら、膣の中に薬を入れて治療します。
また塗り薬も処方します。
1-2週間もあれば、たいていの人は治りますのでご安心を。
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by ikomatomomiclinic | 2010-11-26 17:30 | 性行為感染症の話

子宮頸がん検診の舞台裏 その2

皆さんがせっかく受けてくれた子宮頸がん検診。
そこで取ってきた子宮の細胞は、その後検査室に運ばれます。

必要な処理をしたあと、専門的な資格を持った「スクリーナー」と呼ばれる検査技師さんが
患者さんひとりひとりの子宮の細胞を顕微鏡で見て、判定していく作業に入ります。

顕微鏡をのぞきながら、1個1個の細胞の形をみて、これは正常な形をした細胞だか
ら大丈夫だとか、これは異常な形をした細胞であるから子宮がんかもしれないとか
人間の目で判定していくわけです。

1人の患者さんの検体を顕微鏡で判定するのに、だいたい3~10分程度かかります。
患者さんは毎日何十人もいますから、それを1日がかりで、毎日毎日 顕微鏡で判定
していくわけです。

根気のいる作業です。

ですから、皆さん、子宮頸がん検診を受けても、当日結果を教えてもらえませんよね。
だいたい1週間はかかることが多いと思います。
それは、こうしてスクリーナーの方が、皆さんひとりひとりの細胞を顕微鏡で
調べているからなんです。

なんと原始的な作業だと思うかもしれませんが、機械まかせにできない検査も
あるのです。

我々医師も、スクリーナーの方々の仕事ぶりには本当に感謝しています。
産婦人科医の仕事は、この方がいなくては成り立ちません。
日本のスクリーナーって本当に優秀ですよ。
世界一ではないでしょうか。

発展途上国では、このスクリーナーがいないので、子宮頸がん検診を受けられないのです。

日本のような恵まれた環境に生まれて本当に感謝です。
ですから、皆さん、嫌がらないで、感謝して子宮頸がん検診を受けましょうね。
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by ikomatomomiclinic | 2010-11-18 17:30 | 子宮頸がんの話

子宮頸がん検診の舞台裏 その1

子宮頸がん検診では、医者はカーテンの向こう側で、何をしているのか?
それがわかると、皆さんも検診を受けるときの不安感が解消されると思います。

まず、私たち医師は、クスコと呼ばれる、器具を膣の中に挿入します。
クスコは写真にも示したように、アヒルのクチバシみたいな形をしていて、
ちょうどクチバシが開いたり閉じたりするように
前後に開閉するようになっています。

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クスコにはサイズがいろいろあって、膣が広い人には
大きめのクスコを、膣が狭い人には小さめのクスコを使用します。
SSSサイズからLサイズまで、そろっています。

クスコを挿入されるとき、金属特有の冷たい感覚を感じる人もいる
と思いますが、挿入する操作自体に痛みはありません。

次に、検査をしたい場所である子宮の入り口を診察するために
閉じていたクスコを開きます。
ちょうどアヒルのクチバシが大きく開いた状態になります。

このときに患者さんが緊張して、体に力が入っていたりすると、
膣の筋肉も緊張して硬くなっていますので、クスコを開いたときに抵抗があり
痛みを感じてしまいます。
できるだけ力を抜くことが痛くない内診を受けるコツです。

患者さんはよく、あの先生は内診が痛かったとか、あの先生は痛くなかったから
上手だったとか、いろいろ、評価していますが、内診時の痛みの原因は
医師の力量によるものだけとは限りません。

ひとつの原因は、患者さんの膣が平均よりも狭い場合。
小さいクスコを使っても、それでも痛い場合があります。
出産経験がない若い女性や、閉経した女性に多いです。

もう一つの原因は、患者さんが緊張していて、お腹に力がはいっている場合。
こういう場合は、我々医師は、患者さんに力をもっと抜くようにリラックスを促します。
とにかく緊張のしすぎが一番よくありません。
口を開いて、股の力を抜くことが、痛くない内診を受ける一番のコツです。




話を子宮がん検診のやり方に戻しましょう。

膣の中に挿入したクスコを開くと、子宮頸部といわれる子宮の入り口が見えます。

そしたら、そこを綿棒やブラシでチョコチョコとこするのです。
こするときに、鈍い痛みを感じることがありますが、正確な検査をするために
充分に細胞をとってくる必要がありますので、ここは少し我慢かもしれません。

こすったブラシは、ガラスに塗りつけて、検査室に提出します。
(また最近は、ガラスではなく、液体の容器に回収させる方法もあります。)

ここまで終えると、クスコを閉じ、そっと膣から取り出します。
これで子宮頸がん検診が終了します。

時間にしてわずか数秒程度だと思います。

では、検査で採取した子宮の細胞は、その後、どう検査されていくのか?

次回にお話しいたしましょう。
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by ikomatomomiclinic | 2010-11-15 17:30 | 子宮頸がんの話

子宮頸部異形成という病気

子宮頸がんの原因はヒトパピローマウイル(HPV)であると
これまで説明してきました。

HPVに感染することから子宮頸がんへの道のりは始まるのですが、
HPVに感染してもいきなりガンになるわけではありません。
実は、HPVに感染してもほとんどの人は何の病気にもなりません。

それは、人間には免疫力というのがあって、多少のウイルスが体の中にはいってきても
自分の免疫力で、ウイルスを排除することができるからです。

風邪を引いても、多少のものなら薬を飲まずに自然に治るのと同じことです。

ですが、免疫力が低下していたり、悪性度の高いタイプのHPVに運悪く感染してしまうと
子宮頸部異形成という病気にかかってしまいます。

「子宮頸部異形成??? 何だ、そりゃ?」

子宮頸部異形成とは、子宮頸部と言われる子宮の入口にできる病気の一種です。
ガンではありません。
しかし正常でもありません。
正常ではないけど、ガンでもないということで、「異なるものが形成されている」という
意味から異形成という名前がつけられています。

エッチでHPVに感染すると、まずはこの子宮頸部異形成という病気になります。
この病気になっても、ほとんどの人は自分の免疫力で自然に治るので
あまり心配はいらないのですが、まれに不幸にして治らない場合があります。

すると、徐々に病気が進行していきます。
ゆっくりゆっくり数年から10数年かけて。
そして、ついに子宮頸がんへと変貌するのです。


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気がついたときには、すでに手遅れのガンになっていたなんてこともあります。
不正出血などの自覚症状がでてからだと、進行した子宮頸がんにまで
進行していることが多いのです。

それもそのはずで、子宮頸部異形成の段階では自覚症状が全くありません。

では、どうすれば 子宮頸部異形成の段階で早期発見できるでしょうか?


答えはズバリ検診です。

子宮頸がん検診を受けることで、子宮頸部異形成の段階で見つけることができれば
結果として助かることができます。
子宮頸部異形成の段階では、まだガンではありませんから、命は100%助かります。

しかも、手術で子宮を取る必要がないため、子供も産めます。
この段階なら、不幸中の幸いで済むのです。

ですから検診を受けるというのはとっても大切なんです。

16歳で子宮頸部異形成になった子もいます。
幸いにしてガンになる前にみつかりましたから、簡単な手術で、子宮は取らずに済みました。


みなさん是非 子宮頸がん検診を受けましょうね。
自分の身体は自分で守りましょう。

次回は子宮頸がん検診について詳しい話をしましょう。


★ちょっと難しい医学解説
(理解できなくてもかまいません。読める人だけ読んでください。)

子宮頸部異形成は、その程度により、軽度、中等度、高度に分類される。
軽度の段階であれば、95%の人が自然に治るので、経過を診ればよい。

しかし、高度のレベルまで進行してしまうと、もはや自然治癒は期待できず、
子宮頸がんにまで進行する可能性が高いため、手術が必要になる。

中等度の場合は、患者さんの状況に応じ、経過をみたり、手術をしたりする。
手術が必要であったとしても、高度異形成の段階であれば、子宮を取らずに済むが、
浸潤した子宮頸がんの段階にまで達すると子宮をとらなければならない。
(他には、放射線化学療法といった方法もありますが、難しいのでここでは詳しく述べません。)

だから、異形成の段階で発見されるか、すでにガンにまで進行していたかの違いは、
患者さんにとって、とても大きい。

ちなみに、異形成という病気は薬では治りません。
そもそも、そういう薬自体がありません。
ですから、治療は手術するかしないかの2者択一しかないわけです。
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by ikomatomomiclinic | 2010-11-11 17:30 | 子宮頸がんの話

日本は子宮頸がん検診の受診率が、先進国最低の国なのです

これまで、子宮頸がんを予防するにはワクチンだとお話してきました。
今回は、もうひとつの対策について説明していきたいと思います。
ワクチンは60-70%は予防してくれますが、100%ではありません。

その足りない部分を補ってくれるのが子宮がん検診です。
残念ながら、日本の子宮がん検診の受診率は先進国のなかで最下位です。
海外では検診率が80%にも達する国がある一方で
日本ではたったの20%の人しか受けていないのです。

もったいないですね。

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2年に1回は自治体から補助がでるのですから、これを利用しないのは
本当にもったいないと思います。
自宅にチケットが届いているはずですから、捨てずにきちんと利用しましょう。

とくに、日本の若い女性の子宮頚がんが急増しており、死亡率も高いのは、
検診を受ける若い女性が少ないからです。
検診を受けないから早期発見もできなくて、手遅れになって死んでしまうのは
残念なことだと思います。

検診は、一度でも受けたことのある人は
「内診するから恥ずかしいし、嫌な検査」だと
感じていらっしゃる方も多いでしょう。

私も、そのとおりだと思います。

実は、私も子宮がん検診を一人の患者として受けているのですが、
やはり恥かしいと感じます。
普段は、仕事として、多くの患者さんの子宮がん検診をしている私ですが、
するのとされるのでは立場が全然違います。

産婦人科医の私ですら、恥ずかしいし、嫌な検査だと思うのですから、皆さんはもっと
そうかもしれません。



それでも、あえて、皆さんに言います。

やはり、子宮がん検診は受けたほうがいいですよ。
検診は、子宮頸がんの早期発見にとても有効ですから。

私は、毎年、子宮がん検診を自分の誕生日の月に受けるようにしています。
その方が忘れませんし、ついつい引き伸ばしになりがちになりますので、
「この日に行くぞ!」と決めて、スケジュールを組んでしまい、半ば強制的に行くことにしています。

私は、そんな感じで受けています。


子宮がん検診を受けることで、ガンの早期発見につながり
結果として、命までは失わずに済みます。
さらに運が良ければ、ガンになる前の段階の病気で発見することができます。

「ガンになる前の病気ってあるんですか?」

はい、実はあるんです。
これは一般の人にはほとんど知られていない病気です。

続きは次回のブログでお話ししましょう。
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by ikomatomomiclinic | 2010-11-07 16:22 | 子宮頸がんの話

子宮頸がんを予防する方法

前回までは、子宮頸がんの原因はエッチで移るヒトパピローマウイルス
(HPV)だと説明しました。
子宮頸がんを予防するには、まずこのHPV感染を防ぐことが重要です。

では、HPVに感染しないためにはどうしたらいいでしょうか?

方法は3つあります。

一つ目は、誰とでも気軽にエッチしないこと。
さらに、自分だけが一途であったとしても、相手の男性がプレイボーイ
であれば、その人から感染する可能性大ですからそういう男性とは
本気の恋でない限り、お付き合いしないことも必要だと思います。

そういう男は、私も好きでしたので、偉そうに言えた立場ではありませんが、
実際お付き合いしてみると、意外に大したことがないというか
期待が大きかっただけにガッカリだったというのが正直な感想でした。

HPVに感染するリスクが大きいわりには、うま味は大したことがなく
割に合わない感じがして、それ以後プレイボーイの男性を見ると
バイ菌を持っている男性にしか見えなくなり、すっかり興味が失せてしまいました。

男性を見ると、つい 「この男性はHPVを持っているかどうか」
なんて想像してしまうのは、女医の悪い癖かもしれません。



二つ目は、エッチの前後でシャワーすること。
基本的なエチケットかもしれませんが、HPV感染予防の上でも有効です。
衛生状態の悪い発展途上国ではシャワーがないためHPV感染も多く
子宮頸がんも多いことがわかっています。




三つ目はワクチンを接種すること。
このワクチンで子宮頸がんの60-70%が予防できると言われています。
ワクチン対象者は、10歳から45歳までの女性です。
ただし、ワクチンには、非常に稀ではありますが、ショック、急性散在性脳脊髄炎
ギランバレー症候群などの副作用、後遺症もあります。

そもそも副作用がゼロである薬剤など存在しないので、100%安全な薬というのはありません。
風邪クスリでも頭痛薬でも、それは同じです。

たとえにあげるなら、飛行機が落ちる確率がゼロではないから
飛行機には乗りませんという人もいます。
それはそれでよいと思いますし、個々の価値判断です。

ですから、ワクチンに関しても
後遺症がある可能性が万に一つでもあるのなら、受けるのは嫌ですという人と、
万に一つのリスクなら、ガンを予防できる確率のほうが高いから受けたい
という人に分かれると思います。

結論が割れるのは、当然だと思います。

皆さんも、自分の価値判断で、ワクチンを受けるかどうか決めましょう。
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by ikomatomomiclinic | 2010-11-04 12:00 | 子宮頸がんの話