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更年期の症状 その1 生理の異常

更年期に起こる症状は様々です

①生理の異常
・ 生理周期が短くなる。月に2回生理が来ることも。
・ 逆に、生理周期が長くなる。2-3か月に1回しか生理がこなくなったとか。
・ 生理以外の出血(不正出血)
・ 生理が止まらなくなって8日以上続く。
・ 生理の大量出血

などです。

生理の始まりと終わりも歯切れが悪くなり、少量の出血が続いた後
生理らしき量のしっかりした生理が来るとか
生理が終わりそうで終わらないダラダラとした少量の出血が
続くといった症状がみられるのも更年期の症状です。


ちなみに私は、生理の大量出血でショックになり緊急入院した患者様を診たことがあります。
たかが生理とはいえ、場合によってはこんな重症になることもあるので、要注意です。


また、重要なこととして更年期の不正出血と紛らわしいのが、子宮がんによる出血です。
とくに更年期の女性は、子宮がんの中でも、子宮体がんに注意しなければなりません。
子宮体がんの検査は通常、検診で受けることがないため、やはり病院を受診する必要があります。

私は、更年期の患者様が不正出血を理由に病院を受診されたときに、
必ず子宮体がんの検査をします。

更年期の出血なのか子宮体がんの出血なのか見分ける必要があるからです。
なんでも更年期だと決めつけてしまうと、思わぬ大病が隠れていることもあるので
やはり検査は必要です。

次回は更年期の自律神経失調による症状について説明致します。
# by ikomatomomiclinic | 2011-06-04 22:19 | 更年期の話

更年期とは

今日は、更年期についてお話し致しましょう。

そもそも更年期とはいつの時期を指すのでしょうか?
実は、具体的に何歳から何歳までと決まっているわけでないのです。

閉経前後のそれぞれ数年間、あわせて10年ちょっとの期間を更年期と呼ぶのですが
閉経する年齢には個人差がありますから、人によって更年期の時期も多少は異なります。

例えば、50歳で閉経した人の場合は、45歳ぐらいから55歳ぐらいまでの期間という
ことになります。
早い人ですと、40歳ぐらいから更年期に入る場合もあります。

ちなみに閉経ですが、1年間生理が来ないと、閉経したとみなします。
ほとんどの女性が43歳~56歳までの期間に閉経を迎えます。
日本人の平均の閉経年齢は約50歳です。

43歳よりも若く閉経してしまうのは早発閉経と呼ばれる病気ですので
病院を受診しましょう。

また、子宮筋腫がある人は閉経するのが遅めの人が多いです。


次回は、更年期に起こりやすい症状についてお話しましょう。
# by ikomatomomiclinic | 2011-05-30 21:48 | 更年期の話

緊急避妊薬が新発売します

明日いよいよ緊急避妊薬が新発売されます。
これまでも緊急避妊に使用する薬はあったのですが、それはあくまで非公認のものでした。
今回の薬は、厚生省が緊急避妊を適応として公に認めた薬です。

方法は簡単で、性交後72時間以内に薬を1回服用するだけです。
避妊効果は98.9%です。
従来の緊急避妊法に比べても、避妊効果は高いです。
また、従来の方法では副作用である吐き気が50%もの頻度で発症したのですが、
今回の新薬は23%まで副作用の頻度も減りました。

いいことずくめの新薬ですが、値段が高いことが難点です。
地域や病院によって値段は変わりますが、15000~20000円ぐらいです。
当院では15000円です。
中絶する費用に比べれば、安いのかもしれませんが、それなりのお値段です。

やはり避妊は日常的におこなうべきですね。
そうすればこんなに高いお金を払わずに済みますもん。
皆さん、どうしてもやむを得ないときにだけ、この高い薬を使用しましょう。
むやみに使っては財布が持ちません。
# by ikomatomomiclinic | 2011-05-23 14:56 | 避妊の話

 乾燥肌による外陰部の慢性的な痒み

御無沙汰していました。開業以来、何かと忙しくブログが更新できずにいましたが、
ようやく仕事にも慣れてきましたので、そろそろブログを再開しようと思います。

当クリニックにお越しいただく患者様の中で
陰部の痒みを理由に受診される患者様のうち、乾燥肌による痒みが原因である方が
あまりにも多いので、詳しく説明してみたいと思います。

通常、陰部の痒みといえば、考えられる病気はカンジダ症か、かぶれによる湿疹か、
ヘルペス感染症が主な原因です。

しかし、もうひとつあるのです。
実は、乾燥肌による痒みなのです。
特に、50-60代くらいの女性に多いです。

「お風呂上りに痒くなるとか、寝るときに布団に入ると痒くなる。
だけどいつも痒いわけではないので、すぐに病院を受診するわけでもなく
慢性的な経過がたってしまった。とはいえ、病気かもしれないし
心配なのでようやく決心して病院を受診した」
という患者さんのパターンが多いです。

カンジダ症のような病気は、急激に痒くなります。
とうてい我慢できないので、すぐに病院を受診する患者さんが多いのですが
乾燥肌による痒みは我慢できない痒みではありません。
ですので、慢性的な経過を持っている患者様に多くみられます。

女性は閉経して数年も経つと肌に潤いがなくなり、乾燥しがちになります。

それに気づかず、何かバイ菌でも付いたかと誤解して
お風呂でいっそうゴシゴシと陰部を洗ってしまうと、肌の脂質分が取れてしまい
ますます乾燥して痒くなるという悪循環を引き起こします。
なかには乾燥がひどくなりすぎて、肛門まで痒くなる場合もあります。

乾燥肌による痒みの治療はまず、乾燥を防ぐことです。
お風呂でゴシゴシ洗わない。
せっけんを必ずしもつけなくても十分汚れは落ちています。
陰部だけでなく、手も足も体中が乾燥して痒い人は、タオルでゴシゴシ身体を洗うのを止めましょう。
脂分が抜けて益々痒くなります。


一番良いのは手で身体を洗うことです。
初めは洗った気分がしないかもしれませんが、実は汚れはこれで十分落ちているのです。
実は、私自身も乾燥肌なので、お風呂やシャワーをするときは、手で身体を洗っています。
そして、背中の手の届かないところだけ、柔らかいタオルで洗います。
以前は液体ボディーソープを使用していましたが、手で身体を洗うようになってからは
固形せっけんの方が使いやすいので、そちらを使用するようになりました。
無添加の純せっけんを使用しています。

ナイロン製のゴシゴシタオルは、いかにも洗った気がしてスッキリするかもしれませんが
乾燥を悪化させるので乾燥肌の人は止めましょう。

特に最近の家は高断熱高気密で、夏は涼しく冬は暖かく過ごせるのですが
部屋の中は乾燥しています。
新築の家を建てた途端、家の中が乾燥して、乾燥肌が悪化した人もいらっしゃると思います。
加湿器を使用して湿度を適度に保ちましょう。


それでも、乾燥して痒い人には保湿クリームや痒み止めクリームを処方しています。

ちょっとした知識があれば、肌の乾燥は防げますので、皆さんもお試しくださいませ。
# by ikomatomomiclinic | 2011-05-02 23:01 | 更年期の話

ピルの話 その2 副作用 知っていれば怖くない

患者さんが、ピルに躊躇する一番の理由は副作用に対する不安感です。
ただ、どんな副作用があるのかを詳しく理解している患者さんはほとんどいません。
ピルはホルモン剤だから怖いものと何となく感覚的に感じておられる方がほとんどのようです。


そこで、今日はピルの副作用について詳しく説明してみましょう。
ピルも他の薬と同じく、重症なものから軽微なものまで
細かく数え上げればきりがないほど多種多様な副作用がありますが
わかりやすくするために、ここではポイントを絞って説明していきます。

①副作用 太る。
ピルは太るから飲みたくないという患者さんがいらっしゃるのですが、
そんなに頻度は高くないのです。せいぜい100人に2-3人程度で
しかも2-3kg程度です。
ピルのせいでどんどん太り続けるということはまずありません。

②血栓症
血が血管内でつまってしまう病気ですが、ピルを飲むと5倍リスクが高くなる
と言われています。実は妊娠中も血栓症のリスクが高くなるのですが
ピルよりも、妊娠中の方がはるかに危険です。
40歳以上の方にはピルはおススメしませんが
健康な若い女性であれば、血栓症のリスクはほとんどありません。

③脳卒中
ピルで2倍リスクが増加。
ですから、40歳以上の方や偏頭痛の方にはピルはおススメしませんが
健康な若い女性であればリスクはほとんどありません。

④乳癌
これまではピルでリスクが増加すると言われていましたが
実際はほとんど影響がなかったことがわかりました。

⑤子宮頸がん
5年以上飲むとリスクが増加。
ピルを5年以内に辞めればリスクはありません。
また、子宮頸がんはワクチンで予防できますので
ワクチンと併用すればリスクはかなり減ると言ってもいいでしょう。

こういうふうに副作用を列挙すると怖いことばかりだと思うかもしれませんので、
今度はピルの効果を挙げてみましょう。

①卵巣がんの予防
ピルでリスクが半分になる。

②子宮体がんの予防
ピルでリスクが半分になる。

③大腸がんの予防
ピルでリスクが20%減少。

④にきびの減少
ピルでにきびが改善

以上のようにメリットもあるわけです。

ですからメリットと副作用を天秤にかけて、メリットが高い人にはピルをお勧めしますし
デメリットが大きい方にはピルはおススメしていません。




ちなみにデメリットが大きくピルを飲んではいけない方とは

①35歳以上で1日15本以上タバコを吸う人  血栓症をきたしやすいから
②乳癌  乳癌が悪化する可能性があるから
③偏頭痛のある方  脳卒中をきたしやすいから

などが挙げられます。




またピルを飲まない方がいい方は
①40歳以上
②高血圧、糖尿病など生活習慣病を持っている方
③肥満の方
などがあげられます。

それにしても、ピルは不思議な薬です。
飲んでも全く副作用がなくヘッチャラな人と頭痛と吐き気のため全く飲めない人と
完全に真っ二つに分かれる薬なのです。
頭痛は4-5人に1人、吐き気は3人に1人の頻度で発生します。

ちなみに私はピルを飲んでも全く副作用がありませんでした。
一方、私の友人は1回飲んだだけで吐き気と頭痛がひどくて全く飲めませんでした。

ピルを飲めるか飲めないかは試してみないとわかりませんが
生理痛や生理の出血量が多くて困っている人には劇的に効果がありますので
一度は試してみてもいいかもしれません。
# by ikomatomomiclinic | 2011-02-15 21:59 | ピルの話